• ホーム
  • コラム
  • エシカルとサステナブルの違いは?環境に配慮した言葉の意味を解説

エシカルとサステナブルの違いは?環境に配慮した言葉の意味を解説

カテゴリー: コラム 投稿日:2022.05.13 / 最終更新日:2024.05.07
sanyoAdmin

執筆者山陽製紙

エシカルとサステナブルの違いとは

「エシカル」と「サステナブル」という言葉をよく一緒に耳にしませんか?どちらも、これからの地球のために目指すべき考え方、行動を表す言葉ですが厳密には違いがあります。
製紙業は、木や水など地球の資源の恩恵を受けて成り立っており、山陽製紙では常に「エシカル」と「サステナブル」を意識しながら活動しています。

そこで今回は私たちの事業を例にあげるとともに、エシカルとサステナブルの違いをご紹介します。

エシカルの意味

「エシカル」(ethical)とは、「倫理的な」「道徳的な」という意味です。人の良心やモラルに従って、正しいとされる行動をとる概念として一般的に使われます。

法律では決められていませんが、こうした方が良いだろうなと思って行動していることは多くあると思います。それら全てがエシカルな行動と言えますが、最近は特に、地球環境のために配慮した行動をとることについて、「エシカル」という言葉が用いられます。

人や物、環境に対して倫理的・道徳的な価値観を持って考えたり接したりすることが、エシカルな行動と言えます。

エシカル消費とは

エシカルな行動の一つに、「エシカル消費」があります。

近年はファストファッションの流行で安価な衣服が流通していますが、その背景には、コットンの生産や衣服の製作に関わる途上国の方の労働力の搾取、強制労働といった問題が潜んでいるのです。

私たちは、そうした商品は手に取らず、労働力に対して正当な価格で取引されるフェアトレード商品を選ぶことができます。このように、物の背景を知ろうとし、作る人の権利を守るための消費がエシカル消費なのです。

その他にも、エコマークがついた商品や製造過程や生産背景に配慮されたものを購入すること、また、地産地消などもエシカル消費と言えます。

私たち人間や動物が暮らす地球の資源は限りあるものです。有限の資源を大切に使い、次の世代も安心して暮らせる持続可能な社会を目指していかなければなりません。そのために、エシカルという考え方が注目されています。
「エシカル とは」

サステナブルの意味

サステナブルの意味

「サステナブル」(sustainable)とは、「sustain:持続する」と「able:〜できる」からなる言葉で、「持続可能な」「継続していける」という意味になります。

近年地球は、温暖化が原因と言われる異常気象や大規模な森林伐採、水質汚染など、様々な課題を抱えています。このまま目先の利益ばかり追求していては、次の世代まで豊かな暮らしを残すことが難しくなってしまいます。

そこで重要視されるようになったのが「サステナブル」です。最近よく使われるようになった「サステナブルな社会」というのは、地球の限りある資源を有効に使い、持続可能な未来を残していく社会ということです。

山陽製紙では、資源として使った地球の財産を守り、再生させることで、サステナブルな社会に貢献したいと考えています。

サステナブルの3つの柱

サステナブルは、エシカルとともに環境にのみ配慮した言葉として捉われがちですが、サステナブルには3つの柱(トリプルボトムライン)があると一般的に言われています。
その3つの柱とは、「環境保護」「社会開発」「経済開発」です。

  1. 環境保護
    先ほどもお伝えしたように、地球環境を持続するために、今ある自然環境を保護しようという動きです。
    また、海の生態系を損なわないために、漁獲量や環境に配慮した方法で魚介類を獲ること(サステナブルシーフード)や、石油や石炭,天然ガスなどの化石燃料ではなく、太陽の光や風、川の水などを利用してつくる再生可能エネルギーを利用することも該当します。
  2.  

  3. 社会開発
    人間や社会、暮らしに関するもので、難民や教育、ジェンダー、健康についてなどが課題です。子ども達に将来生きる力をつけてもらうための教育、労働者が適切な労働環境で健康にも配慮されることなど、人間社会の文明が持続可能なものになることを目指します。
  4.  

  5. 経済開発
    サステナブルな経営とは、環境、社会の持続可能性に配慮しながら行う経営活動のことです。環境に配慮した原材料を使用することや、人権や貧困といった社会問題の解決に取り組むビジネスモデルを実践します。消費者が、自然に配慮した商品を選んだり企業のCSRに目を向けたりし、意識や価値観を変えることが、企業の在り方も変えていくことになります。
  6.  

サステナブルの3つの柱

エシカルとサステナブルの違い、共通点

エシカルとサステナブルの意味は違いますが、この2つの言葉には同じような意味が重なっている部分もあると言えます。

エシカルは、環境や社会、他者を大切にするという思いやりの気持ちを表し、サステナブルは、幅広い分野で持続可能な社会を目指す中で基本となるキーワードです。

どちらも、今現在の自分のためというよりも、次の世代の子どもたちの未来のために地球や社会を守っていこうという点は共通です。

エシカル、サステナブルの取り組みを単独でとりあげることは難しく、それぞれが互いに補い合い、または包括する、必要不可欠な概念だと考えます。

山陽製紙のエシカル、サステナブルな取り組み

山陽製紙のエシカル、サステナブルな取り組み

製紙業は地球の資源があっての産業です。私たち山陽製紙は、どうしたら自然と共生できるかということを常に考える会社でありたいと考え、全社員で循環型社会に貢献するため活動しています。

エシカルな取り組みとサステナブル活動ははっきり分けられるものではありませんが、エシカルとサステナブルの違いをわかりやすくするために敢えて分けて記していきます。

エシカルな取り組み

eco検定®・CSR検定への挑戦

山陽製紙では「循環型社会に貢献する」という経営理念や経営ビジョンの実現に向けて、「環境人材」の育成に力を入れています。

東京商工会議所が開催する、『環境社会検定試験(通称:eco検定®)』、企業と社会が連携して社会的課題を解決する意味や「CSR リテラシーの基本」を身につけることを目的とした『CSR検定』(主催:株式会社オルタナ・一般社団法人CSR経営者フォーラム)などの受験を通して、自社の取り組みや社会の課題に対してどのように関わっていくべきか客観的に捉えられる知性を養っています。

2021年10月1日現在、山陽製紙の社員数44人中eco検定®合格者は34人、CSR検定3級以上合格者は27人という結果を残しています。

男里川清掃ボランティアの取り組み

紙を作るのにかかせない、伏流水の供給源である男里川を毎月有志で清掃しています。

ゴミを拾ったり、草を刈り取ったり、魚や鳥の住みやすい環境をつくるために、地域の皆さまと協力して、毎月第二日曜日、朝8時から1時間ほど活動しています。

1% for the Planet

「1% for the Planet(1%フォー・ザ・プラネット)」は、自然環境保護の必要性を理解する企業の同盟です。

米・パタゴニア社創業者であるイヴォン・シュイナードらが設立、提唱したもので、企業の年間売上の1%を承認された環境保護団体に寄付する取り組みを行っています。

山陽製紙株式会社はこのメンバーに加盟し、「PELP!(ペルプ)」というアップサイクルサービスを通じて生じた売り上げの1%を、自然保護活動を行う団体に寄付しています。

サステナブルな取り組み

活性炭処理による高度排水処理設備

製紙業では多くの水を使用し、また薬品も使用します。その工業排水をそのまま川へ排出することはできません。

当社では、隣接する男里川(おのさとがわ)の伏流水を使用しているのですが、2018年から活性炭ろ過方式浄化処理施設の稼働を開始し、排水を魚が住めるレベルにまで浄化処理しています。

クリーンエネルギーの使用

山陽製紙では、再生可能エネルギーを主な電力源とする電力会社の新電力(FIT電気)を導入しています。主に長野県の水芭蕉水力発電所でつくられたクリーンエネルギーを使用しています。

PELP!

サステナブルなPELP! PAPER

不用なコピー用紙を専用回収袋「PELP! BAG」に入れ、山陽製紙に送ることで、今まで捨てられていた紙が、「PELP! PAPER」と呼ばれる再生紙に生まれ変わります。PELP!会員は紙の送付量に関わらず、その 100%再生紙を使って「PELP! PRODUCT」を作ることができます。

さらに、PELP!パートナー会員様同士の交流イベントの開催などを通じて、一社では解決できない課題に対してもパートナーシップを構築し、解決する糸口を発見する取り組みを進めています。

紙創りを通して喜びを共有する山陽製紙

紙創りを通して喜びを共有する山陽製紙 山陽製紙は創業以来、紙と共に歩んできた再生紙のスペシャリスト集団です。 環境のみならず、様々な社会的な課題に真摯に向き合い、自社の特徴を活かしながら解決のために挑戦する企業のお役に立ちたいと考えています。
  • 小ロットでも発注できる製紙メーカーを探している
  • 製紙・商品開発の相談がしたい
  • 工場見学をしてみたい
…など、ぜひお気軽に山陽製紙にお問い合わせください。
sanyoAdmin

執筆者:山陽製紙

1957年の設立以来、60年余り大阪・泉南市で再生紙に携わってきた紙づくりのプロフェッショナル集団です。 工業用クレープ紙の製造のほか、廃棄されてしまう製造副産物やオフィス古紙などを紙に抄き込みアップサイクルした「オーダーメイド再生紙」や、オフィス古紙の回収や再資源化サービスの「PELP!」など、限りある資源を活用し、循環型社会を実現するため日々取り組んでいます。 小さな製紙メーカーだからこそできる600kgからの小ロットの製紙で、お客様の想いに寄り添った紙づくりを実現していきます。

関連記事