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【リデュースの事例紹介】環境のためにできる取り組みを始めよう

カテゴリー: コラム , コラム 投稿日:2022.07.01 / 最終更新日:2022.07.21
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執筆者MU

リデュース事例、取り組み紹介

ごみ問題を改善していくために必要な取り組みに「3R」があります。リデュース、リユース、リサイクルの3Rの中で、特に優先的に取り組むべきなのが、リデュースです。

リデュースはごみを減らしていくことですが、レジ袋を購入せずにエコバッグを持参したり、マイボトル、マイ箸を利用したりしてリデュースを実践している方も多いでしょう。

この記事では、さらにリデュースを深く知ってもらい取り組みを広げられるよう、さまざまなリデュースの事例をご紹介します。

また山陽製紙が取り組む、リデュースの事例や3Rの取り組みについてもお伝えします。

リデュースでごみを減らそう

リデュースでごみを減らそう

現代は物で溢れ、毎日大量のごみが排出されています。個人の暮らしだけでなく、企業活動でも廃棄物が日々発生しています。これらのごみがこのままのペースで増え続けていては、環境に大きな負担を強いることになってしまいます。

そこで取り組まなければならないのが、リデュースを含む3R(スリーアール)です。

リデュース(Reduce)=ごみを減らす(発生抑制)
リユース(Reuse)=繰り返し使う(再利用・再使用)
リサイクル(Recycle)=ごみをもう一度資源にする(再資源化)

の3つの単語の最初の「R」をとって「3R」といいます。
リユースやリサイクルは不要なものを再び使えるようにするものですが、どうしてもその過程で費用やエネルギーが必要になってきます。

ごみの排出量を減らすためには、そのごみの元となる物を減らさなければいけません。そこで注目すべきなのがリデュースです。例えば、個人が無駄なものの購入は控え必要なもののみ買い物をすれば、余剰生産が減らせて適正な生産量になります。

リデュースは、企業や個人、すべの人が積極的に取り組まなければならない優先度の高い課題なのです。

世界のリデュース、3R事例

日本よりも早い段階でリデュースの取り組みを始めた世界の事例をご紹介します。海外の中でも特にヨーロッパでは、積極的にリデュースの取り組みが行われており、EUは2019年に、一部の使い捨てプラスチック製品の流通を2021年までに禁止する「特定プラスチック製品の環境負荷低減案に関わる指令」案を採択しています。

フランス

フランスでは、使い捨てレジ袋廃止に向けていち早く行動を起こしています。2016年に、他国に先駆けて使い捨てプラスチック製レジ袋の使用が禁止となりました。

厚さが50ミクロン以上の再使用可能なプラスチック製か、紙や繊維などのその他の素材の袋となっていて、使い捨てせず繰り返し使用することを目的とされています。

レジ袋を有料化にするだけではなく、リユースできる素材に変えることでよりレジ袋の削減を進めています。

オランダ

オランダでは、政府と生産者と自治体が協力してリデュースを実施しています。食品小売業者のレジ袋有料化は1990年代から始まるなど意識が高く、またレジ袋だけでなく、商品の梱包材や容器などの原料を削減することにも積極的です。

KIDVという、持続可能な容器包装に係る知識研究所が2013年に設立され、廃棄物抑制のための研究・活動が行われています。

ベルギー

ベルギーでは、生産者責任組織であるFost Plusという非営利企業を設立し、ベルギー全土の家庭から排出される容器包装廃棄物のリサイクルに関する全てを統括しています。また、容器・包装物の生産者等の多くがFost Plusに加盟し、Fost Plusに拠出金を支払うことでリサイクルの義務をはたしています。

また、使い捨てのレジ袋を有料化にするのはもちろんのこと、無料でリユース可能なレジ袋を配布し、レジ袋削減に自然と取り組めるようになりました。

日本のリデュースの取り組み

日本のリデュース取り組み

日本では、2020年7月1日から全国でレジ袋の有料化がはじまるなど、リデュースの動きは個人の間でも広がりつつあります。

企業では、包装を簡易なものにしたり、瓶や缶を軽量化したりするなど、排出されるごみの量を減らす取り組みが実践されています。スーパーマーケットでは、ノントレイのコーナーを設けたり、野菜などはトレイに入れずバラ売りをするところが多くなっています。

最近では、電化製品やスマートフォンなどを購入したときに紙媒体の説明書がついておらず、電子説明書となっているものが多くあります。請求書も電子媒体に移行されつつあります。

このように、日本でもさまざまな場面でリデュースは実践されています。

今日から個人レベルでできるリデュースの取り組み

リデュースは企業や自治体のみが率先して取り組んでも意味はありません。ごみは個人の暮らしから大量に排出されているため、一人一人の日々のリデュース実践が、大きな結果をもたらすのです。

そこで、今日からすぐに実践できる、リデュースの取り組みをご紹介します。

  • 買い物の時は、マイバッグ、マイバスケットを使い、レジ袋はもらわない
  • 食料品は必要な量だけ買い、食品ロスをなくす
  • パックやトレイ入りでない商品を選んだり、量り売りを利用したりする
  • 無駄な包装は断る
  • マイボトル、マイ箸を持ち歩く
  • 長寿命の商品を選ぶ

その他、リデュースや3R活動を実践する企業の商品を選択することも、リデュースの推進に貢献することになります。

山陽製紙のリデュース取り組み事例

山陽製紙でも、紙づくりや製品開発にあたって、工場や事務所における一般廃棄物の削減や産業廃棄物の削減に取り組むリデュース活動の他、リユース、リサイクルにも積極的に取り組んでいます。

歩留まり(ぶどまり)向上/リデュース

山陽製紙のリデュース取組事例

歩留まりとは、製造業などにおける生産全般において、生産された製品のうち良品の割合を意味します。歩留まりの向上は原材料を無駄なく効率的に使えていることを意味します。

工程内のロス低減と生産性向上の取り組みは、廃棄物の減少、使用薬品の削減、エネルギーの削減となります。

また、設備の保守定期メンテナンスを行うことでリスク管理もしています。設備の故障が発生すると、製品不良の発生や生産計画の遅れにつながります。状況によっては、生産ラインを停止せざるを得なくなり、その結果、製品不良分を再度生産することになります。つまり、原材料が余分にかかり生産コストの増大を招きます。

こうした状況を防ぎ、余計な廃棄物を発生させないためにも設備のメンテナンスは欠かせないものなのです。

ごみ重量の計測・一般廃棄物の細分化/リデュース

2007年から全社で取り組んでいるのが、ごみ重量の計測と、一般廃棄物の細分化です。

当社では『エコアクション21』への登録を機会に、2007年より全社でごみ重量の計測や一般廃棄物の細分化などに取り組んでいます。

※『エコアクション21』とは、環境省が策定した日本独自の環境マネジメントシステム(EMS)です。中小規模の事業者も自主的に環境への取り組みを継続的に行う方法を定めており、第三者機関によって登録や認証が行われます。

産業廃棄物の排出量はもちろん、事務所などで出る一般廃棄物についても可燃ごみ、プラスチックなど品目ごとに計測を実施しています。

排出量の可視化や徹底した分類等により、各個人のごみの排出量についても必要最低限となるよう啓蒙しています。

社内におけるグリーン購入・調達の促進/リデュース

会社備品購入等の際に、各自でグリーン購入を意識しています。

グリーン購入とは、製品やサービスを購入する際に、環境を考慮して、必要性をよく考え、環境への負荷ができるだけ少ないものを選んで購入することです。

環境省の『グリーン購入』のページには次のように書かれています。
「グリーン購入は、消費生活など購入者自身の活動を環境にやさしいものにするだけでなく、供給側の企業に環境負荷の少ない製品の開発を促すことで、経済活動全体を変えていく可能性を持っています」(引用:環境省

使用水、エネルギーの有効活用/リサイクル

山陽製紙の浄水施設

製造工程内の排水の再利用をしたり、発生した廃熱をボイラーで活用し、燃料効率アップしたりしています。

山陽製紙では、1日約2,000tの排水を河川放流しているのですが、まず600t収容可能な凝集沈殿層を経ることで、不純物が沈んだ上澄みを工程内で再利用することにしています。その他は活性汚泥法、砂ろ過、活性炭ろ過からなる高度排水処理設備へ通して支流へ排水しています。

廃棄物の有効利用/リユース・リサイクル

原料製造工程の際に不純物として除去され、水分を搾り機で絞られた汚泥(製紙スラッジ)は、蓄積され、セメント業者にて増量剤として二次利用に活用しています。

汚泥と同様に不純物として除去されたスクリーン粕(フィルムなど)は以前はサーマルリサイクル(熱回収)の手法を用いていましたが、近年ではこれらもセメントの増量剤としての二次利用に活用しています。これらの取り組みにより産業廃棄物処理にかかる費用は以前の2分の1となりました。

また、社内で出た生ごみの一部を敷地内に生息するミミズを用いたコンポストで分解。精製された堆肥を用いて、敷地内の緑化活動(プランター栽培)に循環させる実験を行うなど、社内完結の生ごみ処理実用化を模索しているところです。

山陽製紙のこれからのリデュース目標

山陽製紙は紙創りを通して、環境に配慮した循環型社会への貢献を目指しています。今後も、リデュースを始め、リユース、リサイクル活動に取り組み、脱炭素といった新たな目標に向けて企業活動を行ってまいります。

リデュースに関連した取り組み目標

商品の包装を簡易包装にしてごみの排出を押さえたり、適正在庫や製品の品質向上で余剰生産を防いだりすることで、廃棄物の低減を目指しています。

また、2008年に、環境省が策定した環境経営システムに関する第三者認証・登録制度「エコアクション21」の認証を取得しております。これからも、廃棄物量やエネルギー使用量などの削減を意識しながら紙づくり、販売を行っていきたいと考えています。

リサイクルに関連した取り組み目標

山陽製紙の製品の一部には、強度を出すために、糸入りクレープ紙やポリエチレンラミネート加工を施したものがありますが、糸の素材やラミネートはプラスチック由来であるため、そのままリサイクルすることが難しいという弱点があります。

また、製品の梱包にはプラバンドやOPPなどを使用しているので、これらの代替商品の検討や開発などが今後の課題となっています。

山陽製紙のリデュース、3Rから誕生した商品例

山陽製紙では、そのままだと産業廃棄物となる製造残渣物を紙に抄き込んで、オーダーメイド紙を製造しています。これはリユース・リサイクルの概念にもあてはまりますが、廃棄物を減らす、という意味ではリデュースにも寄与していると考えます。

廃棄物を利用したリデュース商品事例

上の商品は、コーヒー粕を紙に抄き込んだ、コーヒー粕入り再生封筒やメニュー表です。これは、焼却や埋め立て処分の抑制による環境負荷の低減のみならず、企業独自の循環ストーリーを持ったオリジナル製品として企業イメージの向上にもつながりました。

また製品開発においては単なるリサイクルではなく、これまで廃棄するしかなかった残渣物などを紙に抄き込んで付加価値を付けた「アップサイクル」という概念も重視しています。

関連記事:アップサイクルの意味とは?リサイクルとの違いや事例紹介

紙創りを通して喜びを共有する山陽製紙

紙創りを通して喜びを共有する山陽製紙 山陽製紙は創業以来、紙と共に歩んできた再生紙のスペシャリスト集団です。 環境のみならず、様々な社会的な課題に真摯に向き合い、自社の特徴を活かしながら解決のために挑戦する企業のお役に立ちたいと考えています。
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